看護師座談会(2)専門/認定看護師座談会

専門看護師座談会

看護師、多職種をつなぎ「ケアの連鎖」を起こす
専門看護師のスペシャリティ

精神看護専門看護師 赤沢 雪路
老人看護専門看護師 高橋 香代子

精神看護専門看護師とは?

精神疾患を持つ患者さんに対して水準の高い看護を提供する看護師のことで、その役割から「リエゾンナース」と呼ばれています。精神科以外の診療科とも連携した質の高い看護ケアだけでなく、相澤病院では職員のメンタルヘルス支援を行っています。

老人看護専門看護師とは?

認知症や嚥下障害をはじめとする複数の疾患を持つ高齢者に対して、主にQOLを向上させるための水準の高い看護を提供することを役割としています。相澤病院では、病棟看護師と連携した高齢者看護ケアの提供だけでなく、患者さんへの退院支援をMSWと連携して行っています。

「めざす看護」を追求していくうちに
辿り着いた「専門看護師」という役割

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赤沢
精神看護を学ぼうと思ったきっかけは、ある総合病院に勤務していたころ、統合失調症の患者さんの看護を行ったことでした。精神科以外の疾患で入院した患者さんで、手術を受けた後病室に引きこもってしまい、点滴も自分で抜いてしまうという状態で、どう対応していいかわからず、途方に暮れていました。その経験から、自分にとって未知で、看護をするうえで「足りない」精神看護を学ばなければいけないなと思いました。
高橋
私は、「高齢者の看護が好き」だったことが老人看護の専門看護師をめざした理由ですね。大学病院に勤務していたとき、大学の老年看護の講義で、食事介助の場面のビデオを見て、「高齢者が尊重されている、なんて印象的で奥が深いのだろう」と感動しまして、ビデオに登場していた病院に就職しました。そこで出会った先輩が専門看護師で、その方への憧れもあり、資格取得をめざしました。赤沢さんは、すぐに資格を取ろうと思いましたか?
赤沢
精神看護を学ぼうと思っていたころ、日本で最初にリエゾンナースになった方の新聞記事を見て、「こういう仕事・資格があるのか」と、あこがれを持っていました。とはいえ、自分がリエゾンナースになりたい、と思うには至らず、自分には無理だと思っていて紆余曲折しながらですね。専門看護師の資格を取るのは、記事を見てから17年後のことです。高橋さんは?
高橋
私は、看護師になったのが他の人よりも遅かったので、一生懸命看護を学んでいかないと周囲に追いついていけないという思いがあり、「がんばろう」と思っていたとき学んでいった先にそういう資格もあるのだと知って、目標にしてきました。

資格取得支援、院内看護研修、多職種研修
選択に迷うほど多彩な相澤病院のキャリアサポート

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赤沢
私も高橋さんも、他の病院をいくつか経験しながら資格を取りましたが、他の病院と比較して、相澤病院は、専門・認定看護師を取得するためのキャリアサポート制度も充実していますね。出し惜しみなく、看護師のキャリアアップのためにね。
高橋
私がいままで経験してきた病院の中で、キャリアアップのための環境が一番恵まれている病院だと思います。相澤病院に入職したときに、院内研修の案内がたくさん届いて、その数と種類の多彩さに驚きました。職場にいながらにしてさまざまな分野の勉強ができるのはうれしいですね。何より無料で学べるのはありがたい。
赤沢
看護の研修だけではなくて、多職種の方が主催をしている勉強会が多くて、看護に役立ついろいろな分野の知識を吸収できますね。むしろありすぎて仕事が終わった後どこに行けばよいか、選択肢がありすぎて悩みますね。贅沢な悩みですが(笑)
高橋
自分がどういう看護師になりたいか、何を学びたいか整理して、学びの目標を明確にしないといけませんね。

専門看護師としての「アセスメント力」を活かして
患者さんと看護師・多職種をつなげていく

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赤沢
この対談をご覧になっている方で、「専門看護師の病院での仕事、役割って何だろう?」と思っている方もいらっしゃるかと思います。私と高橋さんは、病棟や部署を超えて、組織横断的に活動しながら、患者さんやご家族、そして看護職員をどう支援するのか、が最も重要な役割です。私は、リエゾンナースとして患者さんやご家族のケアを行いながら、看護職員の心のケアもあわせて行っています。
高橋
私は、老人看護の専門看護師として、退院調整の支援を中心に活動しています。退院調整では、MSW(医療ソーシャルワーカー)が、主に患者さんの生活や経済面など受け入れ環境の支援を行い、病棟の看護師が退院後の医療面での環境を整えていきます。私は、その間に立ってそれぞれの職種の専門性を活かすように指導とサポートをしています。といったように、専門看護師は、病棟の看護師と連携して、患者さんのために働いています。
赤沢
私の場合は、病棟看護師が患者さんにしっかり向き合えるよう、スタッフへのコンサルテーションを行い、患者さんとスタッフの関係をつなぐ役割を持っています。また、看護師は、患者さんやご家族への「共感疲労」によるストレスがありますので、バーンアウトしてしまいそうな看護師に、早めにカウンセリングをしてサポートをしています。
高橋
私の業務でいえば、退院調整の対象となる退院困難な方は高齢者がほとんどです。相澤病院は、MSWが21名所属していて、各病棟に配置されています。MSWと連携しながら、高齢者の看取りの迎えをどうしていくか、食べられなくなったときにどうしていくかなど病棟の看護師と一緒に考えていきます。
赤沢
高橋さんは、看護師の視点から、看護師とMSWの連携をはかり、両者の「橋渡し」をしていますよね。退院調整を行う看護師は、リエゾンナースと同じように、地域や多職種などさまざまな人たちを「つなげていく」役割を担っています。その「つなげていく」ためのアセスメントの方法が専門看護師としてのスペシャリティそのものですね。
髙橋
退院調整の本質は、地域と患者さんをつなぐことにあります。「退院調整」より「継続看護」という言葉が好きです。地域の訪問看護師から受け継いで、患者さんが常に最善でいられるように、かかりつけ医や訪問看護師と連絡を取りあって、患者さんと地域と病院をつないでいます。
赤沢
患者さんと病棟の看護師、多職種のスタッフ、病院の看護に関わる人たちをつないで、「ケアの連鎖」をする、ということが専門看護師の重要な役割ですね。

認定看護師座談会(1)

患者さんと深く関わるストーマケアから出発して
「看護の基本」皮膚・排泄ケアの本質を伝える役割に

皮膚・排泄ケア認定看護師
若林 あずさ・山本 幸恵

皮膚・排泄ケア認定看護師とは?

創傷や失禁など皮膚や排泄のケアといった特定の分野を専門とし、皮膚障害や排泄管理についての知識・技術を用いて、質の高い看護を提供します。また、身体の機能低下や社会生活を制限する皮膚障害及び排泄障害に対して苦痛を最小限にするようなサポートを行っています。

“患者さんと深く関わるストーマケアを追求したい”
その思いから認定看護師をめざす

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山本
私は、看護部長室に所属しながら「褥瘡管理者」として褥瘡の予防と治療ケアの充実について、全体的な管理や指導をしています。私は皮膚・排泄ケア認定看護師ですが褥瘡管理者という役割から、褥瘡ケアを主に担当しています。褥瘡対策チームを設置して多職種で予防や治療の方法を検討し、現場で傷を見ながら処置をしてベッドサイドで実践指導をしていきます。
若林
私は、看護部で主に教育研修と渉外を担当しています。認定看護師としての活動は、病棟の看護師から皮膚・排泄ケアについての適宜、相談を受けています。
山本
若林さんと私は、元は同じ病棟に勤務していて、新卒で入職したころから先輩としていろいろ指導してもらっていました。皮膚・排泄ケア認定看護師の分野には、ストーマケアが含まれるのですが、入職して3年くらい過ぎても、ストーマケアがどうしても分からなくて、うまくできませんでした。できたら楽しくなるだろうなと思い、よし、勉強してみようと思いまして。
若林
私は、ストーマケアが大好きで、認定看護師になりました。外科に入職して1年目からストーマケアの担当になり、患者さんと深く話しをしながら一緒に作っていくケアだと感じて、これだ!と思いました。医師の診断や治療、処方とは別に看護師独自の視点で関われたり、同じ患者さんでも時間とともに変わっていったりと、経時的に患者さんと関わることが楽しいですね。
山本
楽しさは変化が目に見えるところですよね。患者さんの生活背景を理解して、話し合いながら何千とある装具から最も適合するものを患者さんと一緒に選んでいく。
若林
生活背景を聞かないとケアができませんので、「どんなお仕事をされていますか」「ご家族いらっしゃいますか」「奥様との関係は良いですか」など、初対面では躊躇してしまうような細かなことまでもズバズバ聞いていきます。
山本
経験が浅い看護師だと、遠慮が出てしまい、聞いた後のフォローが上手にできないということが良くありますね。アセスメントの仕方を若手看護師に伝えていくのも認定看護師の仕事の一つです。「教える」よりも、ケアに同行してもらい「こういうふうに話すのか」「こういうふうにフォローしていけば良いのか」とその様子を見てもらい、技術を学んでもらう感じですね。

「忙しさ」を患者さんと関わる時間に変える
多職種の専門性を活かす「看護の力」

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若林
私が相澤病院に入職したきっかけは、「松本市で一番有名な病院はどこ?」と周囲に聞いたところ、全員が「相澤病院」との回答したことがきっかけで就職しました。一方で、友人や親戚皆から、「有名だけど大変だよ」と言われて心配されていました。入職してみると、実際忙しくはありましたが、おもいっきり看護を学ぶ環境がありました。相澤病院だから認定看護師になれたと思っています。
山本
急性期病院ですが、忙しいことを言い訳にして看護が置いていかれる、ということがあってはならないことですね。
若林
相澤病院は、「24時間365日休みません」と謳っていますから、むしろ忙しくないほうが問題ですね。“忙しい”と感じるのは病院の事情で、患者さんは忙しくないですから、患者さんの視点で考えないといけません。
山本
患者さんが援助を必要としているタイミングさえ逃さなければ、つきっきりになる必要はありませんし、療養上の世話といわれる部分を看護師が全部するのではなくて、患者さんが自立していけるようにサポートしていけば忙しさの質が変わってきますね。
若林
あとは「人に頼る」と良いですね。医療現場ですから、看護師をはじめとして、医師・薬剤師・リハセラピスト・介護士など専門分野を持っている人がいますから、その人たちを「活用」していけば、「忙しい時間」をもっと患者さんに接して関わりを持つ時間に変えていけますね。

皮膚・排泄ケアは「看護の基本」
その本質を思い出させるのが認定看護師の役割

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山本
若手の看護師には、「一から十まで何でも聞いてくださいね」と伝えています。私たちの技術をすべて伝えて、自分たちで考え、実践できるようになることが褥瘡責任者としての目標でもあります。
若林
例えば褥瘡のケアについて、「患者さんから要望や苦情があってどう対応したらいいか」というときに、病棟では解決しがたいときは特定の分野を持っている認定看護師に相談して欲しいですね。「何でも聞いてください!」と書かれた看板を背負って病棟を周っているようなものですから。
山本
専門・認定看護師がいない環境なら、県外まで行ってお金を払って受けるような研修を、仕事中のアドバイスとして、また院内研修としての時間で受けられる。お得な環境ですね。
山本
皮膚・排泄ケアの特長は、ほとんどすべての診療科の看護に幅広く関わることです。皮膚・排泄ケアの技術は、すべての看護師が関わる事であり「看護の基本」だと思っています。
若林
そう!看護の基本ですね。なぜかというと、皮膚・排泄ケアは、人間の基本的な欲求に関わる部分を特定分野とするからです。私たち看護師は、当たり前のように患者さんの服を脱がせて、お肌を拭いたり、おしもを洗いますが、これらは本来、他人に「見られたくない」、「触ってほしくない」という部分だと思います。こういった部分に専門性を持ってケアを考えるのが私たちの皮膚・排泄ケア分野です。相澤病院の看護師が、“社会に生きる人”である患者さんの背景や羞恥心をもう一回振り返りながら、ケアができるようになるのが理想です。
山本
そこまでいけば、私たちがいなくても良いことになりますね。それが、私たちの認定看護師としての目標ですね。

認定看護師座談会(2)

がん医療をそれぞれの分野から追求する
緩和ケアとがん化学療法認定看護師のスペシャリティ

緩和ケア認定看護師 塩原 麻衣
がん化学療法認定看護師 百瀬 裕和

緩和ケア認定看護師とは?

緩和ケア認定看護師は、生命を脅かす疾患を持つ患者さんとその家族に対して、その疾患からくる身体的・心理社会的問題を評価し対処予防することで、患者さんとその家族のQOL改善をサポートします。

がん化学療法認定看護師とは?

がん化学療法を受ける患者さんが安全に治療を受けることができるようマネジメントを行い、患者さんのセルフケアの実践を援助します。また患者さんとその家族の心理的サポートも行います。

「緩和ケア」「化学療法」看護の専門性を追求
その先に見えてきた認定看護師という選択

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百瀬
認定看護師をめざした理由は、ゼネラリストになるより、専門的な分野を追求していきたいという思いからですね。すでに結婚して子どももいたので、家族の理解を得るまでが大変でしたが、どうにか説得しました。夜勤を含む勤務と家事とを両立しながら東京の学校に週末だけ通いました。塩原さんは?
塩原
新卒で相澤病院に入職して、呼吸器と腎臓内科の病棟に配属されました。終末期のがん患者さんを受け持つうちに、「終末期をより良く過ごす」看護の勉強がしたいという気持ちが強くなってきました。上司に相談したところ、がん集学治療センターへの異動を勧められて、そこで出会った先輩が緩和ケアの認定看護師で、その方のようになりたいと思ったのが、緩和ケアの認定看護師をめざした理由ですね。
百瀬
私の場合、認定の分野の中で化学療法を選んだ理由は、がん治療の3要素のうち、外科・放射線は頭打ちになる中、これからは化学療法が発展していくだろうと考えたからです。がんの化学療法は、これからも新薬が開発されてアップデートしていきます。専門性を持って看護を追求していくうえでは、進歩がないと飽きてしまいそうだと思いまして。
塩原
終末期の患者さんを支えたいという思いの他に、私が緩和ケアを選んだもう一つの理由は、「その人らしさ」を重視する看護に惹かれたからですね。他の科だとどうしても「社会で生活する人」が入院すると「患者さん」になってしまいがちですが、緩和ケアの看護は「その人らしく過ごす」ことを重視します。患者さんその人にしっかり向き合えるのが緩和ケアの魅力ですね。

認定看護師の視点から見た
「急性期病院」でのがん治療の立ち位置とは?

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塩原
緩和ケアは、「終末期」のイメージが強いと思いますが、終末期に限ったものではありません。がんと診断されたときから、患者さん本人とご家族の心身両面の負担を和らげるためのケアです。院内でも概念が理解はされていても、まだ実践には至っていないところがあり、そこが課題です。
百瀬
がん医療は、多職種やそれぞれの分野の専門家が一人の患者さんに関わる「チーム医療」が重要です。相澤病院では、「がん集学治療センター」という枠組みに、多彩な科が1部署に集まり、それぞれの専門性を理解しながら連携しています。患者さんと医療従事者それぞれにメリットが大きいです。一方で、化学療法は、薬が新しくなってから情報収集をして、その患者さんに適用できるか、慎重に情報収集していかなければなりません。
塩原
がん治療では、「治らない患者さん」も多いので、急性期の「病気を治す」という医療と相容れない要素があって、急性期を担う部署では、深いところでの理解が得にくいですね。認定看護師として、そのギャップを埋めていく努力をしています。
百瀬
医療従事者は、ドクターをはじめとして、「治すのが仕事」という意識があり、「治さない医療」には苦手意識を持っている傾向があります。本当は「医療者みんなができることなのになあ」と思いますね。
塩原
相澤病院は、「がん診療拠点病院」に認定されています。「陽子線治療センター」などのハードも充実していて、地域のがん治療に大きな役割を担っていますが、院内で「がんの専門治療ができる病院」という認知が進んでいません。この役割と機能の認知を深めて、皆で同じ方向を向いてがん治療を充実させていきたいですね。

医師・薬剤師・認定看護師、多職種が集い、連携する
相澤病院で、本当の意味での「チーム医療」を学ぶ

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百瀬
がん医療のトレンドは、患者さんの意思、選択を重視して、医療者が患者さんをどれだけサポートできるかが問われています。患者さんの意思を尊重した医療をするうえで、多職種の専門性を発揮していくことが大事です。相澤病院のように、多職種が病棟・部署に集い、同じ方向を向いて連携している病院は稀です。本当の意味での「チーム医療」を経験するには最適な病院だと思っています。
塩原
専門性を持った多職種が集まる相澤病院のがん集学治療センターなら、がん治療の各分野の専門家のスペシャリティを、看護をしながら自然に学べます。専門性を持った看護スキルを得たい方にはぴったりな環境ではないでしょうか。
百瀬
私自身、専門性を高めたいと思い、認定看護師資格を取得しようと決めるまで、かなり悩んでいたのですが、いざ学校に行ってみると半年間あっという間に過ぎていきました。進路に悩むなら、まずは学校に行ってみることをおすすめします。相澤病院の認定看護師の取得支援制度は、経済的な支援が充実していますし、取得後の活躍の場もあります。
塩原
余裕がある病院だからこそ、資格取得のために経済的な支援を充実できますし、実務経験期間中にしっかり看護を学んでいないと資格は取れませんから、14名も認定看護師が在籍しているということは、経営上も看護レベルも一定以上の水準にある病院だと思います。
百瀬
さまざまな分野の認定看護師がいれば、ケアに困ったときに、自分たちで考えるだけではなく、専門的な視点からの助言と知識が得られますね。ある分野の看護の専門性を追求する、看護師としてひとつの「キャリア像」として、将来の進路への参考にもなりますね。
塩原
認定看護師は、専門分野だけを学ぶのではなく、看護師への指導の仕方や関わり方も体系的に学んできています。若手の看護師への教育上のアプローチもその看護師さんの性格や立場を考えたうえで、病棟の先輩看護師とは違ってきます。これから相澤病院に入職する方は、本当の意味での「チーム医療」と看護の専門性を経験して、認定看護師取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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